インタビュー
更新日:2012年1月27日
東京プレイボーイクラブ 臼田あさ美


ハンパ者たちがシノギをけずる混沌としたアンダーグラウンドな世界。巧みなストーリー構成の中に、激しさ、毒、バイオレンス、ブラックユーモアが破裂しそうなほど詰まったオンリーワンな作風。
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公開日:2012年2月4日

- エリ子という透明な存在感のある役柄は、臼田さんにピッタリですね。
透明に見えるけれど、自分独自の色を持っている女の子役って実は初めてなんです。これまでは、キリッとした女性とかお嬢さんのようなわかりやすい設定の役が多かったですが、私自身はエリ子に近い気がして、この役は自分の中にすっと入ってきた感じがありましたね。エリ子についての詳しい背景が描かれていない分、不思議な存在として映ると思います。撮影前は役について色々考えていたけれど、頭で考えるよりも現場に行って反応するという方法で、その時の感情で演じていたような気がします。

- 何を考えているのかわからない、という部分に現代の女性像があるのでしょうか?
感情表現は乏しいけれど、自分の胸の中に抑圧された感情を抱いていて、何かを壊したいとか、何かを変えてみたいという願望を持っている女性って多いですよね。現代は単純に熱い人よりも、冷静だけれど内に大きな葛藤を抱えている人が増えていると思います。私もそういう気持ちは理解できて、過去に自分が適当に言ってしまった言葉や、思ってもいないのにその場の雰囲気に合わせて話してしまった些細なことを思い出して、悶々とすることもありますから(笑)。

- 周りの人たちから臼田さんはどんなタイプの人間だと言われますか?
フワフワしていて女の子っぽいイメージが強いという一方で、実際にお会いしてお話したりすると、私に対して「サバサバしている」「想像以上に男性っぽい」とギャップを感じる方が多いみたいです。自分としてはその両方を含めて自分自身だと思っているので、そんなギャップがあることに驚いてしまうこともあります。

- モデルとしてデビューされて、今では女優として様々な作品に出演されていますね。
現在は女優という仕事が大好きで誇れるものとしてやっていますが、モデルとしてデビューした当時はアルバイト感覚がありました。いつまで続けていくのかもわからなかったし、モデルや女優業が自分の中でスペシャルな選択ではないと思っていた時期もあったくらいで。背も高くないし、スタイルもよくないのに有名な雑誌でモデルとして活躍させてもらえたことは凄くありがたいことなのに、ファーストフード店のアルバイトを優先して、モデルの仕事を断ることもありましたから。その時から考えると、10年続けてこられたのは周りの皆さんあってのものだと痛感させられます。

- ベテラン勢に囲まれた紅一点の撮影はいかがでしたか?
映画の中で観ている人たちとご一緒するという感覚でしたし、現場で怒られたらどうしようという不安がありました。でもいざ撮影に入ってみると皆さん本当に優しい方々で、居心地のいい現場でしたね。大森南朋さんや光石研さんの二人の芝居を間近で見ることによって、エリ子がそこにどんな風に佇んでいればいいのかわかったし、「引っ張ってもらえた」と肌で感じることもありました。ハードな内容の現場なので、しんどいかと思ったけれど、撮影以外では皆で楽しくお弁当を食べて、終始和やかムードでした。俳優陣よりも熱かったのは実は奥田庸介監督で、そんな監督に大森さんは「まあ、まあ。本番もできるから大丈夫だよ」なんて優しい声を掛けてリラックスさせていました(笑)。

- ハードボイルド色強い作品ですが、ご自身はどういった作品がお好きですか?
人間の生き様を描く作品が好きです。その点でいうと、今回の作品も当てはまりますよね。物語は非日常的で、どうしようもない人間ばかりが出てくるけれど、そんな人たちが譲れないもののために、がむしゃらに必死に生きて、時々かっこ悪いけれど、それでも生きるパワーをみなぎらせるというか。美し過ぎないところも魅力だし、そんな彼らの力に背中を押されるようなところがあります。

- 監督がエレファントカシマシの楽曲に影響されて本作を作ったように、何かにインスパイアされる事はありますか?
映画も音楽も自分の生活の中に日常として当たり前にあるので、そういったものにインスパイアされて何かに挑むということはないですが、劇中でエリ子はイヤフォンをしながら音楽を聴いています。何を聴いているのだろうかと考えたときに、流行の音楽ではなくて、歌謡曲ではないかと思ったんです。小さいときにお父さんが運転する車の中で流れていた音楽を聴いているような、そんなイメージがあったので、撮影期間中は森田童子の歌を聴くようにしていました。 
- 昨年の日本を表す文字は「絆」でしたが、今年1年と自分自身を表すとしたら?
今年は「楽」な年にしたいですね。去年は多くの作品に恵まれてひたすら走り続けた感じがあったので、良い意味でもっと楽をして、一つ一つを楽しんでいきたいと思っています。私自身を一文字で表すならば「未」ですね。人間としても女優としても出来上がっていないし、まだまだという意味。これからも成長していきたいです。

- 女優として、どんな将来像がありますか?
特定のものに決めてしまうと良くない気がするので、こういう役をやりたい、こういう芝居をやっていきたいという思いはありません。女優というのは0から作る側ではなく、1から参加する側ですから、0から1を作ろうとする監督に呼んでもらわないとできない仕事。どんな役でもどんな作品でも、「臼田にやらせたら面白くなりそうだ」と思われて、沢山の作品に呼ばれるような人間になっていければいいですね。

1984年10月17日、千葉県出身。
10代でモデルデビュー後、ファッション誌「CanCam」、「AneCan」の専属モデルと女優として活躍。園子温監督の映画『ノーパンツ・ガールズ Movie Box-ing2「大人になったら」』で映画初出演。映画『恋空』『色即ぜねれいしょん』、テレビドラマ「CONTROL〜犯罪心理捜査〜」「胡桃の部屋」など多数出演。2012年には映画『キツツキと雨』の公開が控えている。
| 作品名 | 東京プレイボーイクラブ |
|---|---|
| 公開日 | 2012年2月4日(土)より渋谷・ユーロスペース、シネマート新宿 他にて全国ロードショー |
| 製作年 | 2012年 |
| 製作国 | 日本 |
| 配給会社 | スタイルジャム |
| キャスト | 監督・脚本:奥田庸介 出演:大森南朋/光石研/臼田あさ美 |
| 配給協力 | ビターズ・エンド |
| 映倫規定 |
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